脳振盪と併せて知っておきたい頭頚部外傷❹「頚髄損傷」
今回は「頚髄損傷:けいずいそんしょう」についてです。
頚髄とは、脊髄と呼ばれる脳からつながる太い神経の首の部分(頸部)で、脳からの司令で手足を動かしたり痛みやしびれといった感覚を脳に伝える重要な回路です。
この投稿では、症状や対処法、注意点について解説します。
※私は医師ではありませんが、頭のケガの一つとして知っておくことが重要だと感じ、発信しています
【頚髄損傷とは?】
脊椎(背骨)の中を通っている脊髄神経を損傷することで運動機能や感覚機能に障害が生じる疾患。脊髄損傷を完治させる方法はなく、一度傷ついた脊髄が完全に回復する可能性はほぼない。
【主な原因】
❶ 交通事故
❷ 転倒
❸ スポーツ中の外傷
❹ 暴力
❺ 転落 など
高齢者では転倒が、若年者ではスポーツ事故が多いとされている。
【頚髄損傷の種類】
● 完全損傷:損傷部位より下の運動や感覚が完全に失われる状態
● 不完全損傷:損傷部位以下に部分的に感覚や運動機能が残っている状態
【主な症状】
● 運動機能の低下(力が入らない、動かせない)
● 麻痺、しびれ、感覚の喪失
● 排泄困難
● 呼吸困難
● 起立性低血圧
● 徐脈・頻脈
● 低血糖
● 多量の発汗
● 痙性 など
【緊急時の対処:頚髄損傷が疑われる場合】
● 動作・感覚が正常かを確認
● むやみに動かさない。不適切に動かしてしまうことで、損傷を悪化させるリスクがある
※トレーニングを受けた人のみが対処
● トレーニングを受けた人(専門家)による頸部固定
● 頸部を固定した状態で救急車を待つ
【診断方法】
● 神経学的評価:動作ができるかどうか、感覚が正常かどうかの検査
● MRI・CT検査:画像検査委による損傷部位の確認
早期診断と治療が、その後のリハビリや回復に影響を与えます
【治療法】
● 薬物療法:炎症を抑えるための薬や血圧管理が行われることがある
● 手術:場合により脊椎固定や、減圧手術が必要になることも
●リハビリテーション:機能が回復することがほとんどないため、運動機能や日常生活の回復を目指したリハビリテーションが重要
【リハビリテーション】
● 理学療法や作業療法を通じて、体の機能回復や生活の質の向上を目指す。長期間にわたるリハビリが必要で、継続的な努力が回復につながる
● 同じスポーツには戻れないが、パラスポーツに転向する人も多い
【有事への備え】
対処を間違うと、状態を悪化させる可能性のある頚髄損傷。正しい知識を持っておくことで、最悪の事態を防げる可能性もあります。緊急時の対応をしっかり前もって確認・練習しておきましょう
【脳振盪との関連】
頭部のケガが起こった時、その時点ではそのケガが軽症なのか、脳振盪なのか、重症なのか、わかりません。医師が現場にいたとしても診断を下すことはできません。ですので、あらゆる状況を想定して行動しなければなりません。頭に衝撃を受ける状況では首への影響もあることを覚えておきましょう。
【終わりに】
スポーツ活動中の頭部外傷時に同時に起こりうる頚髄損傷。後遺症が残る可能性が高く、現場での対処やその後の処置、リハビリによって大きく生活に影響するため、しっかり知識として持っておくことが大切
いつも投稿を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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