脳振盪と併せて知っておきたい頭頚部外傷❸「硬膜下血腫」
今回は「硬膜下血腫:こうまくかけっしゅ」についてです。
硬膜下血腫は、脳と硬膜の間に血液が溜まる状態で脳の圧迫や神経への影響が起こる可能性がある疾患です。
この投稿では、症状や対処法、注意点について解説したいと思います。
※私は医師ではありませんが、頭のケガの一つとして知っておくことが重要だと感じ、発信しています。
【硬膜下血腫とは?】
硬膜とは、脳や脊髄を包む脳脊髄膜の最も外側にある硬い膜で、脳を外傷や感染から守る
役割を果たしています。脳の表面と、その膜の間にゆっくりと血液(血腫)が溜まる状態のことを指します。
【発生のメカニズム】
硬頭部への強い衝撃や転倒などによって、脳が頭蓋骨内で動き、硬膜の血管が傷ついて出血が発生することが多いとされています。
【主な原因】
❶ 頭部への外傷:転倒や交通事故、スポーツ活動
❷ 脳の萎縮:加齢による脳萎縮がリスク要因
❸ 血液凝固異常:薬剤の影響など
【主な症状】
● 頭痛
● 吐気・嘔吐
● 意識混濁
● 片側の麻痺 など
注意点としては、症状の進行が早い時があり(血腫が大きくなっている可能性)、早期発見が重要です
【硬膜下血腫の違い】
● 急性硬膜下血腫:事故・衝撃を受けた直後に発症し即時対応が必要
● 慢性硬膜下血腫:数週間から数か月かけてゆっくり進行していく
【診断方法】
● MRI・CT検査:画像検査により、出血の有無やその程度を確認する必要がある。診断の速さが予後の大きく関わる(時には生命にも)ため、病院での検査は必須です。
【治療法】
● 保存療法:軽症の場合、安静にして経過観察をする
● 手術:血腫の除去が必要な場合、穿頭術(頭蓋骨に穴を開ける)や開頭術(部分的に頭蓋骨を外す)を行う
【予防策】
● 転倒防止(特に高齢者)
● 適切なヘルメットの着用(スポーツや交通安全対策)
【注意点】
● スポーツ現場で頭部外傷が起こった場合、根拠もなく、軽症頭部外傷である「脳振盪」と判断してしまうケースもある
● しかし、その時点では頭の中身を見れるわけではないので、最悪の状況(急性硬膜下血腫など)を想定して対処する必要がある
【脳振盪との関連】
頭部への衝撃が確認されたにも関わらず、そのままプレーを続け、再度頭部への衝撃を受けた場合、症状・状態がより酷くなる可能性が高いです。またそのようなケースをセカンドインパクト症候群と呼ばれたりしますが、病院での検査を行っていない場合は、この硬膜下血腫が起こっている状態でプレーをしている可能性もあります。
【終わりに】
硬膜下血腫の危険性を理解して早期発見ができるように心がけましょう。
症状が出た際は速やかに医療機関で検査を受けるようにし、特に衝撃が強かった際は最大限の注意をしてください。
【まとめ】
硬膜下血腫は、場合によっては死に至る疾患です。頭を打っただけ、と軽く見ず病院の受診は必ずして、重症ではないかどうかを確認しましょう。
いつも投稿を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
#中本真也
#concussion
#スポーツ関連脳振盪
#頭部外傷
#外傷性脳損傷
#硬膜下血腫
#急性硬膜下血腫
#慢性硬膜下血腫
#subduralhematoma
#nakamotoshinya
#remedyconditioning