脳振盪と併せて知っておきたい脳頸部外傷❾「高次脳機能障害」
今回は、「高次脳機能傷害:こうじのうきのうしょうがい」について説明します。
これまで、様々な頭頚部顔面外傷を紹介してきました。頭に衝撃を受け、実際に損傷が起こってしまった場合、脳の機能に異常が出ます。この投稿では、高次脳機能障害の症状、対処法、診断法、注意点などについて解説したいと思います。
※私は医師ではありませんが、頭のケガの一つとして知っておくことが重要だと感じ、発信しています
【高次脳機能傷害とは?】
脳の損傷により、記憶、注意、思考、感情、行動などの機能に障害が生じた状態。
日常生活や社会生活に影響を与える。
⇧ここが一番問題です。
【主な原因】
● 外傷性脳損傷(交通事故、スポーツ外傷など)
● 脳卒中(脳梗塞、脳出血)
● 低酸素状態(溺水、心停止)
● 脳腫瘍や感染症
【症状】
● 記憶の欠如や混乱
● 集中力や注意力の低下
● 問題解決能力の低下
● 急激な感情変化や衝動的な行動
【注意点】
● 症状が徐々に現れる場合が多い
● 表面的には健康に見えるため、周囲の理解が不足しやすい
● 急な症状悪化や長期的な支援が必要な場合もある
【主な分類】
● 記憶障害
● 注意障害
● 遂行機能障害(計画や判断力の低下)
● 社会的行動障害(感情のコントロールや対人関係の問題)
【高次脳機能傷害が疑われる所見】
● 同じ質問を繰り返す
● 簡単な指示を理解できない
● 社会的な状況に不適切な反応を示す
● 日常生活の行動が非効率になる
【診断法】
● 専門医による問診
● 神経学的検査
● 脳の画像診断(MRIやCTスキャン)
● 神経心理学的検査(記憶や注意の評価)
【対処法】
● 早期の医療機関受診(神経科、リハビリ科)
● リハビリテーション(作業療法、認知リハビリなど)
● 周囲の理解とサポート体制の整理
● 適切な教育プログラムの利用
【スポーツ現場での注意点】
● 頭のケガが高次脳機能傷害につながる可能性があることを認識しておく
● 頭に衝撃を受けた後の、病院・専門医の受診は重要
● 何かおかしいと感じたらすぐに病院受診を
【脳振盪との関連】
仮に「脳振盪」と診断されても画像検査などをしていない場合は、脳の状態が確認できていないため、脳の損傷が見逃されている可能性もあります。選手・お子さんの様子に何か異変を感じたら、必ず精密検査を受けるようにしましょう。
【日常生活への影響】
記憶や集中力に影響が出ている場合、それをカバーしようとして、これまで必要なかったことで補おうとします(付箋やメモ機能を常時使用など)。そして、その行為には、より労力が必要になり疲労度が高まります。また、友人との交流なども苦痛になる可能性があり、社会的に孤立する可能性もあります。
【まとめ】
高次脳機能障害は目に見えない障害であるため、早期発見と適切な対応が重要。
実際に診断された場合は、周囲の理解とサポートが回復の鍵となります。
いつも投稿を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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